カーディナル33ドラッグ調整の思想

FUJIYAMA

2006年04月12日 00:47

■カーディナル33のドラッグ調整の思想

カーディナル33の最も特徴的な機能は「スターンドラッグ」だ。



ボディー後部にドラッグダイヤルがあり、ファイト中のドラッグ調整が大変しやすい物だ。

このダイヤル位置は国産のリヤドラッグ式と異なり、メインシャフトの延長上にはなく、60度ほど下に傾けられている。

この位置にダイヤルがあることで実釣中には大変アクセスが良く、カーディナルシリーズ以外でこのデザインを持ったリールは他に見当たらない。

そしてダイヤルに刻まれた数字を読む事で、設定位置を直読できるのが大きな特徴だ。
(あくまでも設定の位置を読めるだけで、ドラッグの強さを表しているのではない)

これは非常に優れた方法だと思う。

ファイト中にいじった設定値を、すぐさまもとに戻すことができるのだ。

ダイヤル自体の位置とデザインは完璧で、ロッドを普通に持った状態で、一目瞭然で設定位置を知ることができる。

ドラッグつまみに数値もメモリも刻まれていないリールだと、一度いじった設定値をすぐには元に戻せない。現場ではヤマカンで元に戻すのが関の山だろう。まあだいたいわかるけどね。

と言うか、他のリールでは設定値をいじらないのが前提とした設計が多いように思う。(シマノのファイティングドラッグなどはその限りではないけど)

まあ逆に言えば、カーディナル33のドラッグの設計自体が古く、今のリールのようには滑りが超スムースでなかった時代の産物と言えばそれまでかも知れないのだが。

でも、今のリールでもファイト中にドラッグの強さをいじりたくなることないですか?

■設定値は正確なのか?

ところで、ドラッグダイヤルに刻まれた数字を元に、設定値を様々に加減することができるのがカーディナル33だが、正直なところこのリールのドラッグ調整それ自体はあまり精密とは言えないように思う。

例えば規定値「5」で釣りをスタートし、ファイト中に様々な変更をくわえ、そして再び「5」に戻したとしても、最初の「5」と後の「5」ではドラッグの強さが微妙に一致しないことがある。

もっとわかりやすい例として、「0」からだんだん締め込んで「5」に設定した場合と、「10」から緩めて「5」に設定した場合とでは同じ「5」でも強さが違うのだ。

この違いは微々たるものかも知れないけれど、感覚として十分にわかる。困るほど、使い物にならないほど大きな問題ではないけれど確かにある。

実は、似たようなことが発生するリールが他にもあった。

それは多くの方が苦しんだリール、やはりABUのEONである。こちらの方は大問題だったのだ。

EONのキャストコントロールつまみの性質が、先に述べたカーディナル33のドラッグ調整の性質とそっくりだったのである。

その上EONでは何も触らないキャスコン設定が「カクッ!」と変化することがあり、これが大バックラッシュの原因になっていることに気付いている人は・・・少ないだろなー。実は対策はあったのですよ、ムフフ。(飛ぶときには異様なほどに飛ぶリールだったけど、私はスプールのベアリングを焼いたっけ)


とまあ、このようにカーディナル33の素敵なスターンドラッグとは言え、その設定数値を鵜呑みにしてはいけないということなのです。

あくまでもだいたいの目安、そして大変アクセスが良い位置の調整ダイヤルということで喜んでおきましょう。

設定数値が怪しいということに目くじらを立てていては、この手の趣味のマシーンは使えません。

つーか、まともなドラッググリスを使ってみるなりして改善する可能性はあるけれど。

それからねえ、私が嫌いなデカイ鱒がかかってさえくれなければドラッグなんか適当でいいんだけどね。


アブガルシア カーディナル33【復刻版】


高性能なだけならオ子チャマでも使えます。一筋縄ではいかないマシンを使いこなすのも大人の楽しみのひとつです。

何々、「道具が腕をカバーする」いやそれはね、メーカーとショップの言い草だと思うよ。ちなみに「密巻きステラ」なんて完璧にフェザリングしないとダメだったでしょ。

じゃ、ダイワの逆テーパー&クロスラップは・・・
腕をカバーしすぎてダメポな釣り人が増えたかも。

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