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管理釣り場でトラウトを釣る

管理釣り場でのトラウトフィッシングの知識とテクニック、タックルの話題。管理釣り場入門から出口まで、そんなブログ。

前アタリ2

   

前アタリの前アタリを考える

「前アタリ2」(実質的に「前アタリの前アタリ」の続き)

前回の記事「前アタリ1」の後半で、「前アタリの前アタリ」は「ある!」ということを書きました。(とにかく私はあると思ていると)

この記事はその続きです。「前アタリ1」をお読みでない方は、先に「前アタリ1」をお読みになってからここを読まれる方が良いでしょう。

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霊能者や超能力者でない私にも観察する気さえあればわかるのが「前アタリの前アタリ」です。

ところでいちいち「前アタリの前アタリ」と書くのがいいかげん面倒な気分。

よって、以降は「前アタリの前アタリ」を「前々アタリ」と記しますね。

さて、この「前々アタリ」がいったい何であるか?それを説明するために、事前にみなさんに確認しておきたいことがあります。


■クランクの引き抵抗

今や管理釣り場でトラウトを釣るのもクランクがごく普通に使われますよね。

そこで皆さんにお尋ねしたいのですが、引くクランクのタイプが異なると「引き抵抗」が違いますよねえ?。

例えば同じシリーズのクランクでもシャロー物とディープ物は明らかに引き抵抗が異なりますよね。

その引き抵抗の違いは、リールで巻き取る重さの違いになって現れます。

そしてロッドとラインに角度をつけているポジションであれば、引いている最中のロッドチップの入り方(曲がり方)が異なることで誰にもすぐにわかると思われます。

更に細かいことを書けば、リトリーブ中に空中にあるラインのたるみ方もクランクの引き抵抗によって異なります。

(さらに細かいことを書けば、クランクのウォブリングで発生しているラインの振動が異なるでしょ!ブルブルブルってね!)

これは多くの方が気付いていることでしょう。でしょ!

「わからん」という人は、そんな嘘こいちゃいけないですよ。


■それではスプーンは

やはりスプーンのデザインによっても引き抵抗が異なります。

あまりになんの気なしに注意力を伴わずこの釣りをしているのでないなら、スプーンの引き抵抗はスプーンのデザインで異なることに気付いている人は少なくないでしょう。

また、雑誌の入門コーナーなどの記述で見かけることに以下のような言い回しがあります。

「始めのうちは引き抵抗がしっかりしたスプーンを選び、リトリーブしている実感が得られるようにするのが良いだろう」

ですよね、あまり引き抵抗を感じにくいタイプのスプーンだと、リトリーブの実感が得られずに「想像力」が働きません。

初心者の内は引き抵抗が少なすぎるスプーンだと退屈な釣りになります。

Xスティックを引いたことがある人ならわかるかな〜?爆釣ルアーとして禁じ手だけど、それにスプーンじゃないけど)

一方、引き抵抗がそこそこわかりやすいスプーンだと、自分がスプーンを引いている感覚に伴って、「トラウトちゃん、来てちょうだい・・」てな気分になれますよね。

これってバイトに対する集中力の違いにもなって現れるように思えます。

ま、このようにスプーンの中でもタイプが異なるだけで引き抵抗がけっこう違い、実際にリーリングでも感覚としてわかるということを思い出してくださいね。

しかしこれってもしかするとかなり超感覚かも知れませんです。

ちょっと見た目にはわからないような設計の違いから、同じような形、大きさのスプーンでも引き抵抗の違いがわかるわけですから。

以上のことで私が言いたいのは、人間は意外に「微妙な差」を感知する能力が普通にあるんだということなんです。

クランクの引き抵抗はまあ、誰でもわかるでしょうし、言われてみればスプーンだってかなり様々に引き抵抗が違うでしょ!

「スプーンの後ろにトラウトが付いたのが手応えでわかるなんてはずがない?」

と公言していた人でさえ、上のスプーンの引き抵抗の違いなら「そんなのアタリメーだろ!」と言いませんか???

スプーンのタイプ別引き抵抗がわかるくせに、トラウトが付いてもわからないとは言わせませんぞ。

■スプーンの引き抵抗の要因

さて、ここまででスプーンのデザインによる引き抵抗の違いを思い出してもらいました。

現実のスプーンのデザインで言えば、ティアドロップ型など幅広でウォブリングが強い物の方が傾向として引き抵抗が強いようです。

要するに、引いたときに左右に暴れる幅が大きく、水を受ける面積が大きい物ほど引き抵抗が強いという感じでしょうか。

しかし「水を受ける面積が大きい」と言っても、引き抵抗は単に面積の問題でなく、そのスプーンが流水の中で実際にどんな動きになるかということが重要なようです。

現実に細身のスプーンでも引き抵抗が強い物もたくさん存在します。

デザインによってウォブリングが強めに出るスプーンは、ちょっと考えただけで引き抵抗が強いだろうということは想像に難くありません。

水中で引っ張っているものが左右に暴れれば、それは引き抵抗が強いだろうという単純な感想です。

これは主に、引っ張って暴れている物体を正面から見たときには理解しやすいことでしょう。

ところが、水や空気のようにある程度の粘性を持った物体中で物が移動するときは、その物体の後ろ側にできる「乱流」による「抗力」が無視できない引き抵抗になります。

それでは下の図を見てください。

前アタリ2


「乱流」というのは流体力学上ではある程度の定義があるのですが、ここではとにかく「乱れた流れ」と考えてください。

移動物体の後ろにはこの乱流が発生し、その物体の移動を妨げようとする力が発生します。ここではその力を「抗力」と呼ぶことにします。

これが引き抵抗の一部になっています。

そして、後部の乱流が大きい物ほど抗力もおしなべて大きく、結果として引き抵抗が大きくなります。

釣り人はスプーンを引きながら、このような微妙な引き抵抗の違いを理解していると言えますね。

ところでこの移動物体の後部に現れる乱流は、ルアーよりも航空機や船舶、そして自動車などのボディデザインでおなじみかも知れません。

航空機や多くの大型船舶では、この乱流をできるだけ発生しないような設計であることが多いです。これはとりもなおさず進行方向への抵抗にならないように考えられているわけです。

また自動車では、防ぎにくい後部の乱流を適度ならば良しとして、逆に利用することもあります。

それは乱流による抗力を「直進安定性」を得るための要素に使うことです。

高速で走る車の後部を、ちょっとした力で後ろ側にひっぱってやれば、その車は安定して走りやすいだろうということが想像できるでしょうか?

(車の場合は路面との関係もありますが)

次に、下の図を見てください。

前アタリ2

Aは後部が流線型、Bは球体ですね。それでも頭の方は同じ「円形」(球形)です。

これを現実の立体物に置き換えて正面から見たとしたら、A、Bの形は同じに見えるでしょう。

これらの物体を流れの中に入れるか、引くかするとはやり抗力が発生します。

ところが後部が流線型をしたAの方が抗力ははるかに小さいのです。

正面から見た形は同じでも、後ろに引きずる乱流で抗力に違いが出るのです。Aは航空機や潜水艦のお尻の形ですよねえまさに。

頭からお尻にかけていわゆる流線型をしている物の方が後部の乱流は大変少なくなるのです。(実際にはお尻の形だけで決まることではありませんが)

Bのような円形(球形)尻は意外に大きな乱流を発生させます。球体にヒモを付けて水中で引くと恐ろしく暴れながら引っ張られますよ。

またはロッドなどの丸い棒を水中に差し込んで勢いよく動かすと、すごい振動が発生することを体験的にご存知の場合もあるでしょう。

むしろお尻は円形(球形)でなく四角くぶった切った形の方がましなくらいなのです。

これはとりもなおさず後部にできる乱流の大きさの違いなのです。

このように、移動物体の後ろにできる乱流の様子というのは、思いのほかその物体の進行に対して大きな抵抗になり得るということがわかると思います。

ですから、引っ張っているスプーンの後ろにできる水流(乱流)は、スプーンの引き抵抗の中で大きな要因になっています。

「移動物体の後ろ側にできる乱流は、物体の進行に対する大きな抗力になる」

(前だけ見ててもダメなんだ)

だからそれが「前々アタリ」に何の関係があるのかって?

それはね・・・

なんだか小学生向けの流体力学の絵本みたいになってきたぞ。

前アタリ3へ続く




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